歯ぎしり、食いしばり
- Q市販のマウスピースと歯科医院で作るものは何が違いますか?
- A市販品はご自身の歯並びに完璧にフィットしていないため、逆に噛み合わせを悪化させたり、顎関節症を誘発したりするリスクがあります。
歯科医院では、精密な型取りと噛み合わせの診断に基づき、医療用素材で作製します。 - Q歯ぎしりはストレスが原因ですか?
- Aストレスは大きな要因の一つと言われていますが、他にも噛み合わせの不調や、飲酒、喫煙、逆流性食道炎などが関連していることもあります。
当院では多角的な視点からアドバイスを差し上げます。 - Qマウスピースは一生使い続ける必要がありますか?
- A症状の程度によりますが、歯やあごを守るために継続的な使用をお勧めする場合が多いです。
定期検診の際、マウスピースのすり減り具合をチェックし、穴が開いたり形が合わなくなったりした場合は作り直しを行います。
知らず知らずのうちに、歯に「過剰な負担」をかけていませんか?
「朝起きると、あごが疲れている、あるいは重い感じがする」
「歯の先端が削れて平らになってきた気がする」
「冷たいものがしみる(知覚過敏)が、むし歯ではないと言われた」
「集中している時、無意識に上下の歯を接触させている」
もし、このようなお悩みに心当たりがあれば、それは「歯ぎしり」や「食いしばり」が原因かもしれません。
これらは専門用語で「ブラキシズム」と呼ばれ、私たちが思っている以上に、歯やあごの関節、さらには全身の健康に大きな影響を及ぼしています。
たけ歯科クリニックでは、歯を削ったり被せ物をしたりする治療だけでなく、それらを破壊してしまう「過度な力」のコントロールも歯科医師の重要な使命だと考えています。
歯ぎしり・食いしばりがもたらす「お口への悪影響」
歯ぎしりの際にかかる力は、自分の体重の数倍(数百キログラム)に達することもあると言われています。
これほどの力が毎日繰り返されると、お口の中にはさまざまなトラブルが生じます。
歯の摩耗と破折(はせつ)
歯の表面のエナメル質が削れ、中の象牙質が露出してしまいます。
また、強い力に耐えきれなくなった歯が、根元から真っ二つに割れてしまう(歯根破折)こともあります。
歯根破折は、抜歯が必要になる大きな原因の一つです。
被せ物・詰め物の脱落や破損
どんなに精密なセラミックや金属の被せ物をしても、歯ぎしりによる過度な力がかかり続けると、接着剤が剥がれたり、素材そのものが欠けたりしてしまいます。
歯周病の悪化
歯周病は細菌感染が主な原因ですが、そこに「過度な力」が加わることで、歯を支える骨(歯槽骨)の吸収が加速し、急激に歯がグラグラしてしまうことがあります。
顎関節症(がくかんせつしょう)
あごを動かす筋肉が過剰に緊張し、あごの関節(顎関節)に負担がかかることで、「口が開けにくい」「あごを動かすと音がする」「痛みがある」といった症状を引き起こします。
あなたは大丈夫?歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック
自分では気づきにくい歯ぎしりですが、お口の中に「サイン」が現れていることがあります。
頬の粘膜や舌の縁に白い線がある
歯を強く噛みしめることで、粘膜に歯の跡がついている状態です。
骨隆起(こつりゅうき)がある
歯ぐきの内側や外側に、ボコボコとした硬い骨の出っ張りがある場合、強い噛み合わせに耐えようとして骨が発達した可能性があります。
歯の先端がすり減って平らになっている
噛み合わせの面が真っ平ら、あるいは象牙質が透けて黄色く見えている。
知覚過敏がある
むし歯がないのに、冷たいものが特定の歯だけでなく全体的にしみる。
たけ歯科クリニックの「診査・診断」とアプローチ
当院では、患者さまのお口の状態を客観的に診査し、一人ひとりに合った対策をご提案します。
視診と触診
歯の摩耗状態、骨隆起の有無、頬の筋肉(咬筋)の張り具合を丁寧に確認します。
歯科用CTによる診査
あごの骨の状態や、顎関節の形に異常がないかを確認します。
CTを用いることで、通常のレントゲンでは見えにくい骨の変化を捉えることが可能です。
咬合圧検査(施設基準に基づいた精密検査)
当院では、どの歯にどれくらいの力がかかっているかを測定する「咬合圧検査」を行っています。
左右のバランスや、特定の歯にかかっている過剰な負担を数値化し、可視化します。
主な治療・対処法
歯ぎしりや食いしばりそのものを完全に「ゼロ」にすることは現代医学でも難しいとされています。
そのため、当院では「歯を守る」「筋肉の緊張を緩和する」ことを主眼に置いています。
ナイトガード(マウスピース療法)
就寝中に装着する、患者さま専用のマウスピースです。
上下の歯が直接ぶつかるのを防ぎ、歯の摩耗や破折を防止します。
また、あごの関節への負担を分散させ、筋肉の緊張を和らげます。
当院では、精密な型取りを行い、噛み合わせをミリ単位で調整します。
違和感が少なく、効果的なナイトガードを作製します。
CH(歯の接触癖)の是正指導
「TCH(Tooth Contacting Habit)」とは、何もしていない時に上下の歯を接触させ続けてしまう癖のことです。
通常、上下の歯が触れ合っている時間は1日のうちわずか20分程度と言われています。
意識的に歯を離す習慣をつけるためのアドバイスや、生活習慣の改善(ストレスケアや枕の高さの調整など)をご提案します。
噛み合わせの調整
特定の歯が強く当たっている場合、ごくわずかに削ることで全体のバランスを整え、過剰な負担を分散させることがあります。
リスク・副作用について
装着時の違和感
最初はマウスピースに違和感を覚え、寝つきにくかったり、唾液が出やすくなったりすることがあります。
通常は1〜2週間で慣れていきます。
歯の移動の可能性
長期間調整せずに合わなくなったマウスピースを使用し続けると、稀に歯並びや噛み合わせが微妙に変化することがあります。
そのため、定期的なメインテナンスが不可欠です。
よくあるご質問(FAQ)

