根管治療
- Q治療には何回くらい通う必要がありますか?
- A根管治療は「回数」よりも「精度」が重要です。
当院では1回の治療時間を十分に確保し、1〜3回程度で根管内を無菌化することを目指します(症状によります)。
何度もだらだらと通う必要はありません。 - Q治療は痛いですか?
- A麻酔を適切に使用するため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。
治療後に一時的な違和感や痛みが出ることがありますが、痛み止めでコントロールできる範囲です。 - Q神経を取った歯は弱くなりますか?
- A確かに神経(血流)を失った歯は枯れ木のようになり、脆くなります。
だからこそ、当院では「ファイバーコア」で補強し、マイクロスコープを用いた精密な「被せ物(審美歯科)」を行うことで、折れにくく長持ちする歯に仕上げます。
「抜歯するしかない」と諦める前にご相談ください
「むし歯が深く、神経を取るしかないと言われた」
「何度も根の治療を繰り返しているが、痛みや腫れが引かない」
「他院で『この歯は残せないので抜歯です』と宣告された」
歯の根っこの治療(根管治療)は、家づくりに例えるなら「基礎工事」にあたります。
どんなに高価で美しい被せ物をしても、土台となる根っこの治療が不完全であれば、いずれ再発し、最終的には大切な歯を失うことになります。
たけ歯科クリニックでは、「可能な限り歯を抜かない」ことを診療のゴールに掲げています。
肉眼では捉えきれない根管内部を可視化する設備を整え、難症例に対しても、歯を残すための最後の砦として精密な治療を提供しています。
なぜ、根管治療は「再発」しやすいのか?
日本の一般的な根管治療の成功率は、決して高いとは言えません。
それは、根管(歯の神経が通る管)が非常に細く、複雑に枝分かれしており、肉眼に頼った手探りの治療では細菌を完全に除去しきれないためです。
根管内にわずかでも細菌が残ったり、治療中に唾液から新たな細菌が侵入したりすると、数年後に「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」という病気を再発し、再治療を繰り返すことになります。
治療を繰り返すたびに歯は薄く脆くなり、最後には抜歯という運命を辿ります。
当院では、この「負の連鎖」を断ち切るための精密なアプローチを行っています。
根管治療の成功率を高めるためのアイテム
根管治療の成否は「いかに無菌状態を作り、それを維持できるか」にかかっています。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
暗く細い根管内を20倍に可視化
根管(歯の神経が入っている管)の太さは、わずかコンマ数ミリです。
これまでは歯科医師の「手先の感覚」に頼る部分が大きかったのですが、マイクロスコープにより、暗い根管の底まで明るく照らし、20倍以上に拡大して観察できます。
肉眼では絶対に見えない「隠れた根管」や、再発の原因となる「古い薬剤の残り」、微細な「歯のひび(破折)」を発見できるため、格段に診断と治療の精度が上がります。
歯科用CT
3次元の立体画像による徹底分析
従来のレントゲンは2次元の「影」を見ているに過ぎず、重なっている部分は見えませんでした。
CTは3次元でお口の中を撮影します。
根の曲がり方、根の数、膿の袋(根尖病巣)の正確な大きさや位置を立体的に把握できます。
「どこを掃除すべきか」が事前に100%分かった状態で治療を始められるため、迷いのない確実な処置が可能になります。
高倍率拡大鏡
治療のあらゆる局面で精度を維持
マイクロスコープが「局所的な超精密作業」に向いているのに対し、拡大鏡はもう少し広い視野を確保しながら精密な処置を行うために使用します。
根管治療だけでなく、その前段階の虫歯除去や土台の調整など、すべての工程を拡大下で行うことで、削りすぎを防ぎ、適合の良い被せ物への土台を整えます。
ラバーダム防湿
細菌の侵入を許さない「無菌室」の構築
治療する歯だけをゴムのシートで隔離する、根管治療における「世界標準」の必須アイテムです。
お口の中の唾液には数億個の細菌がいます。
ラバーダムをしない治療は、手術室の窓を開けっ放しにして心臓手術をするようなものです。
唾液(細菌)を1滴も根管に入れないことで、再発率を劇的に下げることができます。
ニッケルチタンファイル
曲がった根管をしなやかに清掃
根管内を掃除する「ヤスリ」のような器具です。
従来のステンレス製は硬すぎて曲がった根に追従できませんでしたが、このファイルは非常にしなやかです。
複雑に曲がった根っこの形を壊すことなく、汚れだけを的確に削り取ることができます。
歯へのダメージを最小限に抑えつつ、清掃の質を高めます。
超音波洗浄
薬剤を微細な隙間まで届かせる
ファイル(器具)が物理的に届かない細かな枝分かれ部分(側枝)の汚れを落とすために、薬液に超音波の振動を与えます。
薬液を細部まで還流させ、キャビテーション効果(気泡が弾ける力)によって細菌や汚染組織を分解・洗浄します。
手作業では不可能なレベルの清掃を実現します。
MTAセメント
高い殺菌性と封鎖性を持つの薬
治療の最後に根管を埋める、生体親和性の高い特殊なセメントです。
水分がある環境でも固まり、強い殺菌作用を長期間維持します。
根の先に穴が開いてしまったケースや、神経を保護する処置(覆髄)においても高い成功率を誇る、現代の根管治療に欠かせない薬剤です。
ファイバーコア
歯の破折を防ぐ「しなやかな土台」
根管治療後の歯を補強するための心棒(土台)です。
グラスファイバーの繊維を束ねた素材を使用します。
従来の金属の土台(メタルコア)は硬すぎて、強い力がかかった時にクギのように歯の根を割ってしまうことがありました。
ファイバーコアは歯に近い「しなり」があるため、衝撃を分散し、大切な歯が割れるのを防ぎます。
抜歯を回避する「高度な難症例対応」
通常の根管治療では治癒が難しい場合でも、当院では以下の外科的・特殊な手法を駆使して歯の保存を試みます。
歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
根の治療をしても膿が消えない場合、外科的に歯ぐきからアプローチし、感染している「根の先端部分」を直接切り取り、膿の袋を除去する方法です。
マイクロスコープを用いることで、非常に高い精度で行えます。
ヘミセクション/トライセクション(分割抜歯)
複数ある根っこのうち、一本だけがどうしても残せない状態になった場合、その悪い根っこだけを切り離して抜去し、健康な根っこを活かしてブリッジや被せ物の支柱として残す方法です。
リスク・副作用について
再発のリスク
精密な治療を行っても、根の形が極めて複雑な場合や、歯そのものに目に見えないヒビがある場合、再発や抜歯に至ることがあります。
術後の痛み
根の先の炎症が強い場合、治療後に数日間痛みや腫れが出ることがあります。
よくあるご質問(FAQ)

