マイクロスコープ精密治療
- Qマイクロスコープ(顕微鏡)を使うと、治療時間は長くなりますか?
- A肉眼での治療と比較すると、1回あたりの診療時間は長くなる傾向があります。
肉眼では見えなかった汚れや根管の枝分かれ、微細な段差などを一つひとつ精密に処置するため、通常30分〜90分程度の枠をお取りします。
しかし、1回の精度を高めることで、結果的に「再発による再治療」のリスクを抑え、生涯を通じた通院回数を減らすことにつながると考えています。 - Qマイクロスコープ治療は、保険診療でも受けられますか?
- A当院では、保険診療・自由診療(自費)に関わらず、必要と判断した場合にはマイクロスコープを積極的に活用しています。
ただし、使用する薬剤や修復物の材料、および時間をかけた高度な精密根管治療など、治療内容自体が自由診療となる場合には、別途費用のご相談をさせていただきます。
詳細はカウンセリング時に詳しくご説明いたします。 - Q歯科衛生士がマイクロスコープを使うのはなぜですか?
- A予防の質を「治療レベル」まで引き上げるためです。
肉眼では見落としがちな歯肉の奥の歯石や、被せ物のわずかな浮きを衛生士が発見することで、虫歯や歯周病の再発を未然に防ぐことができます。
「徹底的に汚れを取り除き、清潔な状態を維持する」という予防の目的を果たすために、当院では衛生士の拡大視野下でのケアを重視しています。 - Qマイクロスコープで見ると、痛みは軽減されますか?
- A直接的に痛みを取り除く装置ではありませんが、間接的に痛みの少ない治療に寄与します。
拡大視野により「削るべき場所」と「残すべき場所」が明確に区別できるため、健康な組織へのダメージを最小限に抑える(低侵襲治療)ことが可能です。
また、微細な処置により術後の腫れや痛みが軽減されるケースも多くあります。
「大切な歯」を守るために、「見えない世界」を可視化します
「何度も同じ場所が虫歯になる」
「根の治療を続けているが、なかなか痛みが引かない」
「せっかく自費の被せ物を入れるなら、できるだけ長持ちさせたい」
当院には、このような切実なお悩みを持つ患者さまが多く来院されます。
歯科治療において、私たちが最も大切にしているのは「一つひとつの処置を、根拠を持って丁寧に行うこと」です。
お口の中という非常に狭く、暗い環境下で、数ミリ、時にはコンマ数ミリ単位の処置が求められる歯科治療では、「どれだけ精密に患部を捉えられるか」が治療の質を左右します。
当院では、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を導入し、歯科医師はもちろん、歯科衛生士も活用することで、精密な診断と治療、そして予防メンテナンスに努めています。
歯科用マイクロスコープ(顕微鏡)とは
歯科用マイクロスコープは、治療部位を肉眼の数倍から、最大20倍程度まで拡大して観察できる医療機器です。
歯科治療の多くは、暗く狭いお口の中、さらにその中の小さな歯、そしてさらに小さな「根管(歯の根)」を対象とします。
肉眼での治療は、どうしても歯科医師の経験や感覚に頼らざるを得ない部分がありました。
マイクロスコープを使用することで、これまで見ることが難しかった「細かな虫歯」「詰め物のわずかな段差」「歯の根の中の複雑な構造」を鮮明に捉えることが可能になります。
私たちは、「見えるからこそ、より適切なアプローチができる」と考えています。
歯科医師・歯科衛生士のチーム活用
当院の大きな特徴は、歯科医師による治療(根管治療や審美治療など)だけでなく、歯科衛生士が行う予防メンテナンス(クリーニングや歯周病ケア)においてもマイクロスコープを活用している点です。
お口の健康を守るためには、精緻な治療と同じくらい、精緻なメンテナンスが欠かせません。
プロフェッショナルがそれぞれの視点で「拡大視野」を共有することで、病変の早期発見や、より低侵襲(お身体への負担が少ない)なケアを目指しています。
カリーナシステムによる「情報の透明性」と納得感
「何をされているのか分からない」という不安は、患者さまにとって大きなストレスとなります。
当院では、マイクロスコープでの視野をリアルタイムで記録できる「カリーナシステム」を導入しています。
カリーナシステムは、マイクロスコープで見ている映像をそのまま動画や静止画としてデジタル保存できるシステムです。
治療前
現在の状態を拡大映像で確認し、なぜ治療が必要なのかをご説明します。
治療中
どのような処置を行っているか、感染部位がどのように除去されているかを記録します。
治療後
最終的にどのように修復されたか、ビフォーアフターを比較してご確認いただきます。
言葉だけの説明では伝わりにくい複雑な病状も、ご自身の歯の拡大映像を見ることで、より深くご理解いただけると考えております。
私たちは、患者さまがご自身の状態を正しく把握し、納得された上で治療を選択していただくことが、長期的なお口の健康につながると確信しています。
マイクロスコープが活躍する主な治療
精密根管治療(歯の根の治療)
歯の根の治療(根管治療)は、家でいえば「基礎工事」にあたる非常に重要な工程です。
しかし、根管は非常に細く、複雑に枝分かれしており、肉眼ではその中を直接見ることは不可能です。
マイクロスコープを使用することで、根管の入り口や、隠れた管、さらには過去の治療で取り残された充填剤などを視認しながら除去できます。
精密な清掃
感染した組織(細菌)をできる限り取り除き、再発のリスクを軽減することを目指します。
破折の診断
肉眼では判別が難しい、歯の根の微細なヒビ(破折)も、拡大視野であれば早期に発見できる可能性が高まります。
根管治療の副作用・リスクについて
精密な根管治療を行っても、歯の根の形状が極めて複雑な場合や、既に重度の感染がある場合、再発の可能性を完全にゼロにすることは困難です。
また、治療中に器具が破損したり、歯を削ることで強度が低下したりするリスクも伴います。
当院では、これらのリスクについても事前説明を徹底しております。
精密審美歯科治療・ダイレクトボンディング
当院では、機能性と美しさを両立させるため、マイクロスコープを用いた審美的な修復治療を行っています。
ダイレクトボンディングは、虫歯を除去した部分に高機能な歯科用レジン(プラスチック)を直接盛り付けていく治療法です。
健康な歯を削る量を抑える
被せ物(クラウン)にする場合、どうしても健康な歯を大きく削る必要がありますが、ダイレクトボンディングは虫歯の部分のみを最小限に削る処置が可能です。
精緻な形態再現
マイクロスコープ下で、歯本来の溝や形状をコンマ数ミリ単位で再現します。
被せ物・詰め物の適合性向上
自費診療のセラミック治療においても、マイクロスコープは不可欠です。
歯と修復物の間に「隙間(マージン)」があると、そこから二次的な虫歯が発生しやすくなります。
拡大視野で適合状態を確認しながら調整することで、より精度の高い装着を目指します。
審美治療の副作用・リスクについて
レジンやセラミックは、強い衝撃によって欠けたり割れたりすることがあります。
また、時間の経過とともに変色が生じる場合や、周囲の歯肉に影響を与える可能性もあります。
精密歯周外科治療
重度の歯周病に対する外科的な処置においても、マイクロスコープは大きな役割を果たします。 マイクロスコープを使用することで、切開の範囲を最小限に抑え、非常に細い縫合糸を使用することが可能になります。
徹底した歯石除去
肉眼では届かない深い歯周ポケット内の歯石を、視認しながら丁寧に取り除きます。
治癒の促進
傷口を小さく、精緻に縫合することで、術後の痛みや腫れを抑え、早期の治癒を目指します。
歯周外科の副作用・リスクについて
術後に痛みや腫れ、出血が生じることがあります。
また、一時的に知覚過敏が強くなったり、歯肉が下がって歯が長く見えたりすることがあります。
歯科衛生士による精密メンテナンス(予防歯科)
治療が終わってからが、本当のスタートです。
当院では、歯科衛生士もマイクロスコープを使い、予防メンテナンスを行います。
予防の質を高める拡大視野
毎日ブラッシングをしていても、どうしても取りきれない汚れ(バイオフィルムや歯石)が蓄積します。
見落としのないスケーリング
歯肉の影に隠れた小さな汚れも、拡大して確認することで、健康な組織を傷つけることなく効率的に除去できます。
初期異変のキャッチ
被せ物の浮きや、ごく初期の虫歯、歯肉の炎症の兆しを早期に発見することに努めています。
一生涯、自分の歯で食事を楽しむために
千葉県茂原市のたけ歯科クリニックが目指すのは、単に「痛いところを治す」だけの歯科医院ではありません。
マイクロスコープやカリーナシステムといった設備は、あくまで「患者さまの大切な歯を1日でも長く残す」ための手段に過ぎません。
最も大切なのは、それらを扱うスタッフの、患者さまを想う誠実な姿勢であると考えています。
「以前の治療で不安な思いをした」
「自分の口の中が今どうなっているのか詳しく知りたい」
「10年後、20年後も、自分の歯で美味しく食事をしたい」
そのような想いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
私たちは、最新の知見と精密な技術を持って、お一人おひとりの患者さまに寄り添った診療を提供いたします。
よくある質問

