むし歯治療
- Q痛くなってから行けばいい、と思っているのですが、手遅れになりますか?
- A結論から申し上げますと、「痛みが出たときには、すでに進行している」ことがほとんどです。
むし歯は、エナメル質(歯の表面)にあるうちは痛みを感じません。
痛みを感じるのは、さらに内側の象牙質や神経にまで細菌が達したサインです。
痛みが出てからだと「神経を取る治療」が必要になる確率が飛躍的に高まってしまいます。
「痛みがない今のうちに」チェックを受けることが、結果として最も費用を抑え、歯を長持ちさせる近道です。 - Q昔治療した銀歯の下がむし歯になると聞きましたが、本当ですか?
- Aはい、残念ながら非常に多いケースです。これを「二次カリエス(二次むし歯)」と呼びます。
銀歯(メタルインレー等)は、経年劣化により接着剤が溶け出したり、金属そのものがわずかに変形したりして、歯との間に目に見えない隙間が生じます。
そこから細菌が入り込むのですが、銀歯に覆われているためレントゲンでも発見が遅れがちです。
当院ではマイクロスコープを用いて、銀歯の縁のわずかな浮きや段差を厳密にチェックしています。 - Qむし歯を放置すると、全身に影響があるというのは本当ですか?
- A驚かれるかもしれませんが、真実です。
むし歯が末期(C4)まで進行し、歯の根の先に膿が溜まると、その細菌や毒素が血管を通じて全身に回ることがあります。
これが原因で心筋梗塞や脳梗塞、あるいは糖尿病の悪化など、命に関わる疾患を誘発するリスクが指摘されています。
お口の健康を守ることは、全身の寿命を守ることと同義なのです。 - Q妊婦ですが、むし歯治療は受けられますか?
- A安定期(16週〜27週)であれば、ほとんどの治療が可能です。
妊娠中はホルモンバランスの変化やつわりによる磨き残しで、むし歯や歯周病が悪化しやすい時期です。
当院では、お腹の赤ちゃんに影響が少ないとされる局所麻酔や、防護用エプロンを使用した低線量のデジタルレントゲンを使用しますのでご安心ください。
出産後は育児で通院が難しくなるため、安定期のうちに口腔内環境を整えておくことをお勧めします。 - Q他院で「抜くしかない」と言われた歯でも、相談に乗ってもらえますか?
- Aぜひ一度ご相談ください。
当院では、マイクロスコープを用いた「精密根管治療」や、歯ぐきの下に埋まった歯を引っ張り出す「エクストリュージョン」など、歯を残すための特殊なアプローチを多数備えています。
診断の結果、どうしても抜歯が必要な場合もありますが、納得いただけるまであらゆる可能性を検討させていただきます。
セカンドオピニオンとしてもお気軽にご活用ください。 - Q子供のむし歯予防は何歳から始めるべきですか?
- A歯が生え始めたときからがスタートです。
最初の乳歯が生えてきたら、まずは歯科医院の雰囲気に慣れることから始めましょう。
また、乳歯のむし歯は「どうせ生え変わるから」と放置されがちですが、その下の永久歯の質や歯並びに大きな悪影響を及ぼします。
当院のキッズルームを活用しながら、親子で「むし歯ゼロ」の習慣を身につけていきましょう。 - Q治療中に、自分が今何をされているか不安になることがあります。
- Aご安心ください。当院では「カリーナシステム」を導入しています。
治療中の様子をマイクロスコープのカメラで録画し、治療後にその動画や写真をモニターでお見せしながら解説いたします。
「今ここを削りました」「ここに隙間があったので埋めました」と視覚的にご確認いただけるため、納得感を持って治療を終えていただけます。 - Qむし歯になりやすい体質ってあるのでしょうか?
- A確かに、歯の質や唾液の量・性質には個人差があります。
しかし、それ以上に「お口の中の細菌の種類」や「食習慣(間食の頻度など)」、そして「セルフケアの精度」が大きな要因です。当院ではご希望に応じてリスク検査を行い、「なぜあなたが高いリスクを持っているのか」を科学的に分析した上で、あなただけの予防プログラムを作成します。
むし歯治療は「削って終わり」ではありません
「歯がしみる」
「痛みがある」
「黒い部分を見つけた」
このような症状で歯科医院を訪れる際、多くの方が「また削られるのかな」「痛いのは嫌だな」と不安を感じるものです。
しかし、たけ歯科クリニックが考えるむし歯治療は、単に穴を埋めることではありません。
私たちは、「なぜむし歯になったのか」という原因を突き止め、マイクロスコープなどの最新設備を駆使して「1mmでも多く健康な歯を残す」ことを最優先にしています。
一度削ってしまった歯は、再生することはありません。
治療を繰り返すほど歯は寿命に近づいてしまいます。
だからこそ、当院では「これが最後の治療」になるような、精密で誠実な診査・診断と治療を提供しています。
むし歯の進行段階(C0〜C4)と最適な治療法
むし歯は進行度によって治療法が大きく異なります。
当院では各段階において、可能な限り身体に負担の少ない手法を選択します。
【C0】初期むし歯(要観察)
歯の表面のミネラルが溶け出し、白濁している状態です。まだ穴は空いていません。
治療法
基本的に削ることはしません。
高濃度のフッ素塗布や徹底したブラッシング指導により、再石灰化(歯が自己修復すること)を促します。
削らないため痛みもなく、ご自身のケア次第で健康な状態に戻すことができます。
【C1】エナメル質のむし歯
歯の一番外側、エナメル質に小さな穴が空いた状態です。
治療法
むし歯の部分だけを最小限に除去し、コンポジットレジン(白い樹脂)を詰めます。
マイクロスコープや拡大鏡を使用し、健康なエナメル質を削りすぎないよう精密に処置します。
【C2】象牙質のむし歯
エナメル質の下にある「象牙質」まで進んだ状態です。
冷たいものがしみるなどの自覚症状が出始めます。
治療法
むし歯を除去し、範囲に応じてコンポジットレジンやダイレクトボンディング、あるいはセラミックなどの詰め物(インレー)で修復します。
象牙質はエナメル質より柔らかく進行が早いため、「う蝕検知液」を使い、感染部位を確実に取り除きます。
【C3】神経まで達したむし歯
むし歯が神経(歯髄)まで到達し、激しい痛みが生じる段階です。
治療法
通常は「根管治療(神経を取る処置)」が必要ですが、当院ではMTAセメントを用いた「歯髄温存治療」により、神経を残せる可能性を追求します。
神経を取る場合でも、マイクロスコープを用いた精密根管治療を行うことで、将来的な抜歯リスクを低減します。
【C4】残根状態(末期むし歯)
歯の冠部分が崩壊し、根だけが残った状態です。
治療法
一般的には抜歯とされますが、当院では「エクストリュージョン(矯正的挺出)」や「クラウンレングスニング(歯冠長延長術)」などの技術を駆使し、残せる道がないか最後まで検討します。
たけ歯科クリニックが実践する「歯を守るため」のこだわり
私たちは、患者さまの「一生自分の歯で食べたい」という願いを叶えるため、以下の取り組みを徹底しています。
「できるだけ削らない、抜かない」MI治療
当院の基本理念は、MI(Minimal Intervention:最小限の侵襲)です。
マイクロスコープの活用
肉眼の20倍まで視野を拡大し、虫歯だけをピンポイントで除去します。
う蝕検知液の徹底
「なんとなく削る」のではなく、染まった感染部分だけを慎重に取り除きます。
接着技術の駆使
歯と一体化する優れた接着材料を用いることで、詰め物を固定するために健康な歯を削る必要をなくしています。
痛みを抑えた「ストレスフリー」な治療
「歯医者が怖い」最大の理由は痛みです。
当院では麻酔の段階から徹底した配慮を行っています。
表面麻酔の塗布
針を刺す前の粘膜を麻痺させます。
超極細針と電動麻酔器
刺入時の刺激を抑え、コンピューター制御でゆっくりと液を注入することで、注入時の圧迫痛を最小限にします。
歯科用レーザー
症例により、痛みの少ないレーザーによる殺菌・治療を併用します。
丁寧なカウンセリングとインフォームド・コンセント
当院では、いきなり歯を削り始めることはありません。
TC(トリートメントコーディネーター)によるヒアリング
患者さまの不安やご要望をしっかりお伺いします。
カリーナシステムによる可視化
実際のお口の中の動画や写真をお見せしながら、現状と今後の計画を分かりやすく説明します。
納得していただいてから治療を開始するのが私たちのルールです。
根本原因の解決(むし歯にならない環境づくり)
削って治しても、お口の環境が変わらなければ再発します。
精密検査
各種検査、食習慣のヒアリングを通じ、なぜむし歯になったのかを分析します。
衛生士による初期治療
治療前にプラークや歯石を除去し、お口の細菌数を減らすことで、治療の成功率と耐久性を高めます。
なぜ「精密な修復」が必要なのか?
むし歯を除去した後の「詰め物・被せ物」の精度は、その歯がその後何年持つかを左右します。
歯と詰め物の間にわずかな段差(ギャップ)があると、そこから細菌が入り込み、再びむし歯になります(二次カリエス)。
当院ではマイクロスコープ下でその段差をコンマ数ミリ単位でチェックし、滑らかに仕上げます。
自費診療の精密樹脂修復では、天然歯のような見た目の再現だけでなく、高い接着力と強度を実現し、再発リスクを軽減させます。
患者さまへ:むし歯治療のリスクと副作用について
私たちは誠実な医療を提供するため、メリットだけでなくリスクについても事前にお伝えしています。
神経への影響
深い虫歯の場合、神経を残す処置を最大限尽くしても、術後に痛みが出てしまい、後日神経を取る処置が必要になる場合があります。
経年劣化
どんなに優れた材料も、食事や噛み合わせの影響で長期的には摩耗や変色、破損のリスクがあります。
メンテナンスの重要性
治療後の定期的な検診を受けない場合、再発のリスクが飛躍的に高まります。
よくある質問

