口腔機能発達不全症
- Qお口ポカンは成長とともに自然に治りますか?
- A残念ながら、多くの場合、自然には治りません。口呼吸は「癖」というより、お口周りの筋力不足や、鼻の通り道(鼻腔)の発達不全が原因だからです。
早めに適切なトレーニングを行うことで、生涯の呼吸習慣を改善できます。 - Q矯正治療との違いは何ですか?
- A矯正は「歯を動かして形を整える」ものですが、口腔機能療法(MFT)は「歯並びが悪くなる原因(筋肉の動き)を改善する」ものです。
機能を育てずに矯正だけを行っても、後で後戻りしてしまうリスクが高くなります。当院では機能を整えることを最優先に考えています。 - Qどのくらいの期間トレーニングが必要ですか?
- Aお子さまの状態によりますが、数ヶ月から1年程度、定期的にチェックとトレーニングを行います。オーラルレオズによる自宅での継続的な練習が、早期改善のカギとなります。
- Q保険は使えますか?
- A15歳未満のお子さまで、検査の結果「口腔機能発達不全症」と診断された場合は、保険診療の範囲内で管理・指導を受けることが可能です。
お子さまの「お口のサイン」、見逃していませんか?
「いつもお口をポカンと開けている」
「食べるのが遅い、または丸飲みしている気がする」
「滑舌が悪く、特定の音が聞き取りにくい」
「いびきをかいたり、歯ぎしりをしたりする」
もし、あなたのお子さまにこのような様子が見られたら、それは単なる「癖」や「成長の遅れ」ではなく、「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」という状態かもしれません。
たけ歯科クリニックでは、お子さまが一生涯、自分の歯でしっかり噛み、正しく話し、健やかに呼吸するための土台作りを大切にしています。
歯並びを整えるだけでなく、その根底にある「お口の機能」を育てることは、お子さまへの一生もののプレゼントになります。
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、食べる、飲む、話す、呼吸するといった、お口の基本的な機能が正常に発達していない状態を指します。
2018年から保険診療の対象となった比較的新しい概念ですが、現代の子どもたちにとって非常に重要な課題です。
なぜ「お口の機能」が重要なのか
お口は「食べるための道具」であると同時に、「呼吸の入り口」であり「言葉を紡ぐ場所」でもあります。
この機能がうまく育たないと、以下のような多岐にわたる悪影響が生じます。
歯並びの悪化
舌の正しい位置は上顎の裏側です。舌の力が弱いと顎が十分に広がらず、歯が並ぶスペースがなくなってしまいます。
お口ポカン(口呼吸)
鼻ではなく口で呼吸する習慣がつくと、ウイルスが直接体内に入りやすくなり、アレルギーや風邪を引きやすくなります。
顔立ちへの影響
常に口が開いていると、顔の筋肉がたるみ、面長な顔立ち(アデノイド顔貌)になる原因となります。
チェックリスト:お子さまの「お口の力」を確認しましょう
以下の項目に1つでも当てはまる場合、口腔機能発達不全症の可能性があります。
食べる
食べ物をよくこぼす
クチャクチャと音を立てて食べる
いつまでも口の中に食べ物が残っている
飲み込むときに舌が前に出る
話す
サ行やタ行がはっきりしない(滑舌が悪い)
話し方が幼いと感じる
呼吸・その他
常に口が開いている(口呼吸)
唇が乾きやすい
寝ているときにいびきをかく
姿勢が悪い
たけ歯科クリニックの「お口の育成」アプローチ
当院では、お子さまの成長段階に合わせ、無理なく楽しみながら機能を改善するためのプログラムを提供しています。
科学的な診査・診断
まずは、お子さまが現在どの段階まで機能が育っているかを検査します。
口腔内写真・動画撮影
食べる様子や話すときの舌の動きを記録し、客観的に分析します。
咀嚼能力検査
年齢に応じた「噛む力」が備わっているかを確認します。
舌圧測定
舌が上顎を押し上げる力が十分にあるかを数値化します。
最新ソフト「オーラルレオズ」によるトレーニング
大人の「口腔機能低下症」と同様、お子さまの「口腔機能発達不全症」のリハビリにも、当院導入のシステム「オーラルレオズ」を活用します。
ナビゲーション機能
お子さまがゲーム感覚で、正しい舌の動きや唇の動かし方を学べるよう、視覚的な図解でナビゲートします。
成長の可視化
トレーニングの結果が図で示されるため、「昨日よりできるようになった!」とお子さま自身のやる気に繋がります。
歯科衛生士によるマンツーマン指導(担当制)
当院の歯科衛生士が、お子さまお一人おひとりの性格やペースに合わせ、正しい飲み込み方(嚥下)やブラッシング、お口の体操を優しく丁寧に指導します。
リスク・副作用について
継続の必要性
トレーニングはご家庭での継続が非常に重要です。通院時だけでは十分な効果が得られない場合があります。
鼻疾患の影響
鼻づまり(蓄膿症やアレルギー性鼻炎)がひどい場合は、歯科でのトレーニングと並行して耳鼻咽喉科での治療が必要になることがあります。
よくあるご質問(FAQ)

